農家さんは、豊作だとそれはそれで大変だと、ちょっと気づいた収穫体験の話。
先日、収穫のお手伝いとは名ばかりの、梅狩りにいかせてもらいました。
それをやってみて思ったことを、シェアしたくなったので、ブログにしてみます。
なんとなく、イメージで豊作だと農家さんは儲かっていいんじゃないかと思ってしまいがちですが実際はそうでもないかも、というお話
収穫体験したのは大阪・茨木市の「梅」
収穫させてもらさせてもらった場所は、茨木市北部の千提寺と言う地域で独活農家を専業でされている千提寺ファームさん。
本業は、「三島独活(みしまうど)」と言う地域の伝統野菜で、とてつもなく手間のかかる伝統農法で栽培されている農家さんです。こちらのストーリーについては軽々しく語れないのですが、いつか記事にしたいと思ってます。
さて、千提寺ファームさんの本業は梅ではないので、あくまでもご先祖様が敷地内に植えてくれた梅の木から収穫させてもらいました。
それなりに大きな梅の木、なおかつ今年は豊作とのことでたくさんの梅の実がなっていました。
「おおー、いっぱいある~」とたくさんの梅の実を見てわーっとテンションが上がる。
のんきな一般ピーポーな私。

梅の収穫ってこんなに大変?体験してわかった作業のリアル
早速収穫のお手伝いです。
それなりに大きな梅の木なので、収穫は脚立に登っての作業になります。
収穫したものを下にポイポイ投げるわけにはいかないので、肩からかけるカゴをぶら下げて脚立に登ります。足元は必ずしも平坦ではないので、脚立の置き場所にも注意が必要です。
途中
「近所のおじいちゃんがさ、柿の収穫中に脚立から落ちて、首の骨が折れて亡くなってん」
「いやでもさ、ある意味、最後の日まで働けて、幸せやで」
「確かに…」
なんてリアルすぎる農家トークを聞くと、いやでも慎重になります。
普段あまり乗り慣れない脚立に上がり、一生懸命上を向いて手を伸ばし、プチプチと梅の実を枝から外していきます。これは楽しい。どんどんとっていきます。
すると当然ですが、肩にぶら下げた籠はすぐにいっぱいに。ずっしり肩に食い込むように。
そうなるといったん脚立から降りて、大きな籠にうつしかえます。
また、ぶら下げた籠にいっぱいにならなくても、脚立に乗ってても届く手の範囲はごくごく限られているので、また下りて移動します。
とにかく、脚立を降り、脚立を移動させ、再び上に上がって、とって、下りて、また上がる、の繰り返し。(そのたびに脳裏をかすめる柿の木からおちたおじいちゃんの話し)

そうやって、みんなで脚立の高さに合わせ、それぞれの範囲でがんばりましたが、一生懸命手を伸ばしても、豊作な今年の梅なかなか取りきれません。
結局4人で作業して、1本の木の収穫が終わるのに1時間以上かかってしまいました。

「豊作=儲かる」とは限らない?農業の経済的な現実に気づく
豊作だから、取るのに時間がかかるのは当たり前と言えば当たり前なのですが、ふと気づいたことがありました。豊作だったら市場では値段下がりますよね。
という事は、時間がかかっても、手取りの収入はもしかするとそんなには増えない?
まぁ減ることはないにしても、時給換算したら、確実にさがるんだなぁ。
うーん、もし自分が農家だったとしたら、ちょっと手放しではよろこべないかも。
「わーい、今年は豊作で、お買い得やん」
と浮かれていたこれまでの自分が、ちょっとイタイ。
そんな微妙な気付きでした
これまでも多量に廃棄される農作物のニュースを知ってはいましたが、実際自分が収穫作業に関わってみると、農業と言う産業、それで生計を立てている人たちの大変さが、ほんの少しですが、身に染みてわかったような気がします。