見えぬものでも、あるんだよ

鍼灸マッサージ

突然ですが、皆さん東洋医学と言うとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
経絡とか、氣とか目には見えない、検査データにも現れない、非科学的なことを取り扱う、少し胡散臭いと思われている人もいるかもしれませんね。

何を隠そう私自身、そういう考えを持っていました。
東洋医学を患者様に提供する鍼灸マッサージ師と言う立場でありながら、けしからん話です(;^_^A

しかし!今では私も、目には見えない、数値では現せない、様々な情報を人間の感覚のみで収集し、それをもとに診断、治療を行う東洋医学を信じられるようになりました。
ああ、よかった(笑)

でも、実は、私が東洋医学を信じられるようになったのは、鍼灸のおかげ、ではありません(;^_^A

そのきっかけをくれたのが、今日ご紹介する「ヒモトレ」と言うものです。

ある日、友達から「絶対おもしろいから1回行ってみない?」と誘われ、深く考えずに参加した
「音楽家のためのヒモトレ講座」

イベントの内容は、プロアマ、ジャンルを問わず、音楽をされている方が集まって来られ、テレビでもちょっと有名な、知ってる人は知っている、古武術研究科・甲野善紀先生に、身体にひもを巻いてもらって前後の演奏、歌唱の変化を見る、というものでした。

…説明聞いただけではなんのこっちゃって感じですよね。

まず状況を説明します。

講座に使われた部屋の前方に舞台があって、ピアノが1台置いてあります。
そこに先生と助手さんが1人スタンバイ。
音楽家の皆さんはお一人ずつ舞台に上がってきてまず演奏、歌唱を披露します。
そのうえで、今、自分が感じている演奏、歌唱の現在の課題をお話しされます。

例えば「もう少しなめららかに指を動かいしたい」とか「息継ぎせず歌いきりたい」など。

それを聞いた先生が、音楽家のみなさんの体幹、手、足、指などに紐を巻いていくのです。
ひもは普通の手芸用のひもと特に変わりないです。

そして再度同じように演奏したり歌ったりすると、あらびっくり。

ズブの素人の私からの目で見て、演奏する姿勢の変化、耳で聞いて、出てくる音に明らかな変化、がわかりました。これもう、信じてください、としか言えないのですが、本当にみなさん、一瞬にしてレベルアップするのです。

狐につままれたような、とはまさにこんな感じ。
音楽科のみなさん、ご本人たちも、半笑い。
できるようになったのはいいけれど、できるようになった理由がさっぱりわからないと不思議そうな顔をされていました。
なぜできるようになるのか、ということについては、先生もほとんど何も語りません。

本当に不思議な現象を目の当たりにした私。
その場で販売されていた本を購入し、それ以外にも「ヒモトレ」について数冊本を購入し読み、後日べつのセミナーにも複数回参加しました。
そして、その不思議さを自分の体でも体感することができたのでした。

ヒモトレはもともと小関勲先生と言う方が開発されたもので、初めはスポーツ選手のトレーニングや体のケアに使われていたそうです。
それが今では様々な分野に波及し、医療や教育、介護現場、芸術など多方面でいろいろな方が取り入れられているとの事でした。
しかしながら、なぜ紐を巻くだけで、体に変化が起こるのかと言う科学的根拠は、未だ解明されていません。
数値として解明できているのは、紐を巻いて、体の動きを記録すると、動きにブレが少なくなったり、衝撃を受けにくくなっている、ということだけ、とのこと。

う~ん、ほんっとうに不思議です。

でも!

科学的根拠は解明されていなくても、目の前で起こっている事は紛れもない事実です。
そして実際自分の体に巻いてみると変化を感じます。
これはもう、科学的根拠なんてどうでもいいなと思いました。

そしてさらに思ったんです。

きっと東洋医学をはじめとする「伝統医学」と言うのは、なが~い、なが~い人類の歴史の中、レントゲンや顕微鏡がない時代から、今よりもずっと感覚の鋭かった人々の中で、さらに頭も良かった人たちが、一生懸命、感覚をたよりに現象を研究し、その結果を繰り返し繰り返し積み重ねて、確立されていたものなんだということが初めて腑に落ちました。

そして、現代医学をもってしても、まだまだ解明されていないことだらけなんだ、という事にも改めて気づかされました。

とはいえ、もうこれは百聞は一見にしかず、案ずるより産むがやすし?(いや、ちょっと違うな)ぜひぜひ、一度体感していただきたいなぁとおもいます。

私も今では毎日この紐を腰に巻いております笑

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